アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

夢が叶った後も人生は続く

イラストレーターである友人はスロベニア人。

首都リュブリャーナの町を歩けば

サインを求められるほどの人気者。

 

祖国からの仕事は絶えず

イタリアの田舎町で

IKEAのカタログに登場するような家族と

そのままカタログ写真になるような家で暮らしている。

 

イラストを仕事にしたい人の

理想を形にしたような人生。

 

だけど彼女には彼女なりの悩みがある。

 

仕事の予約が1年以上埋まっていて

魅力的な話がきても

そうそう気軽に引き受けられない。

 

手先も器用でかわいい小物を作る。

でも、売る場所を探したり

ネット販売に費やす時間がない。

 

手描きが売り物なので

出版社がデジタル画像の作品を

なかなか受け入れてくれない。

 

2人目のコドモを作りたくても

そばに家族も親戚もいないので

絵の仕事を続けながら育てるには

毎日ベビーシッターを呼ぶ必要がある。

 

贅沢な悩み、かもしれない。

それでも彼女なりに切実だ。

 

彼女の愚痴や心配事を聞くたびに思う。

 

「夢が叶った後も人生は続く」

 

賞・メダル・進学・結婚・留学・就職・独立。

それぞれの夢を叶えた後

そこから始まるのだ。

 

絵を描くことを仕事にしている人の

存在すら希薄なこのイタリアの田舎で

ペンや紙や絵の具や素材について

熱く語り合える貴重な友人。

 

彼女とは違った形で私の夢も叶った。

でも人生は続く。

だから立ち止まるわけにはいかない。

 

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 foto Yaegashi Luna