アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

割れる皿を1歳の子供に持たせる母親と鉛筆愛

新鮮な野菜を作って
動物を育てて
直売している所で
たくさん食材を買ってきた。

その家族の母親が
もうすぐ2歳になる女の子に
食洗機からお皿を移して
片付ける作業を任せて
割れる物の扱い方を
教えている動画を見た。

子供にとっては遊びの延長。
実際に触れて持って
物の重さや性質を
理解するのはとても大事。

さすが!と感心した。
野菜や動物を育てる事で
培った子育て方法は健全。

なんでも繰り返して
自分でやりたがる
1歳の女の子は
牛乳パックを持ち歩いて
蓋を開けたり閉めたり。

その様子を見たのは真夏で
彼女は裸足で外を歩いていた。
砂利の上も畑でも裸足。
サンダルを履かせても
すぐに取っちゃうのよ
と、母は快活に笑っていた。

割れる。
怪我をする。
失くす。
困る。
争う。

そういう経験を幼い頃から
小さな体験として
身をもって学ぶのはとても大切。

危ないからと
あれこれ先回りして
快適な環境ばかりを
整え過ぎると
心身ともにヤワになる。

私の両親が兄と私に
幼い頃から教えてくれた
「危ない」ことは
刃物の使い方。

食後の果物の皮を
私達に剥かせた。
中学校の部活の合宿で
リンゴの皮を剥けたのは
兄ひとりだけだったらしい。

鉛筆の削り方も教わった。
小学校に入学したとき
ハンドルつきの鉛筆削りを
買ってもらったのが
嬉しくて嬉しくて
愛用していたのだけれど。

すーっと綺麗に
木の部分を削り
芯をなるべく残すことで
色鉛筆もデッサン用の鉛筆も
長持ちするし快適に使える。

シャープペンシルと蛍光ペンが
全盛期だった高校時代も
私の愛用マーカーは
色鉛筆だった。

小学生の頃から使っていた
短い色鉛筆にサックをつけて
要点、新語、熟語など
色分けして活用していた。
今もこのやり方を続けている。

イタリアの小学校では
やたらと色鉛筆を使う。
でもその扱いが乱暴で
傷んだ鉛筆達を見かけると
切なくて仕方なかった。

毎年買い換えるのが
当たり前の家族も多い。
安くて質の良くないモノを
買っては捨てるの繰り返し。

最近ようやくバラ売りも
あちこちで見かける。
鉛筆サックを子供達に
使わせていたら

「他の子供が欲しがるから
 学校では使わせないで」

そう言われて驚いた。
日本で買ったものだから
確かにイタリアでは
そうそう見当たらない。

物を大切に使うという
概念を教える絶好の機会なのに。
他人が持っているものを
むやみやたらに
欲しがらないということも
学ぶチャンスなのに。

誰かに言いたいセリフは
たいていそのまま
自分に返ってくる。

ないものねだりばかりせずに
今持っているものを
大事に活用します。

素敵な日曜日をお過ごしください。

f:id:yluna:20211003143611j:plain

Foto Yaegashi Luna