父が毎晩のようにナイター中継をみていた。
だから巨人軍の有名どころは覚えている。
母は原辰徳選手に夢中だった。
ワタシは密かに
松本選手が気になっていて
彼が1塁にいると
そわそわした。
投手が気にしながら投球する。
画面の角で影が動く。
あの忍者のような動きが見たくて
父の側でナイター中継を見ていたのだ。
巨人軍が勝とうが負けようが
興味はなかった。
スポーツ番組を楽しそうに見ている
父や兄の姿を眺めた記憶は
ほんのりとした淡いオレンジ色。
先日イタリアで初めて
野球の試合を見かけたとき
そんなことを思い出した。
幼い頃からテレビっ子ではない。
でも、悪い思い出があるわけではない。
今もテレビはほとんど見ない。
でも、楽しそうに見ている家族を眺めるのは
それほど悪くなはい。
foto Yaegashi Luna