アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

偶然と必然とツグミ

快晴の日曜日

行先も決めずに車に乗り込んだ。

湖に行こうという案が有力だったのに

なぜかかたくなに次男が反発。

 

「それじゃあ、グッビョへ」

反対方向へ向かった。

 

図らずも「i ceri」という

グッビョ最大級のお祭りの期間で

町は活気を帯びていた。

 

地域別の山車を運ぶ激しい祭り。

これまで放映画像でしか見たことのない

荒々しいイベントの

溢れるエネルギーを吸い込む。

 

楽しみしていた食事処に向かう前に

聖フランチェスコ像を背景に写真を撮影。

 

そこへ1羽のツグミが舞い降りた。

像の指先に止まり

朗らかに歌うクロウタドリ。

 

「あれ、アトスだよ」

旅立った黒猫が黒い鳥になって現れた。

 

思い込みでもいいのだ。

 

ツグミは私たちの後をついてくる。

コドモ達が至近距離に近づいても逃げない。

やっぱりアトスだ。

 

今は自由に空を飛べるのだ。

 

グッビョの町に向かったのは偶然。

そして必然だった。

 

夕食は期待以上の美味しさで

お腹も心も大満足で帰宅。

 

これからツグミを見かけるたびに

空飛ぶ黒猫を思い描くだろう。

 

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foto Yaegashi Luna