週に1度の掃除アルバイト。
いちおう木曜日の朝に
3時間という約束。
用事が入ったり
体調がすぐれないときは
曜日をずらしてもOK。
何時に始めて何時に終わらせてもいい。
自分の家を掃除する感覚で
気になるところを片付ければいい。
靴屋の小人のようなこの仕事
とても気に入っている。
私の掃除っぷりを
依頼者も気に入ってくれて
「あなたがもうやめるっていう時まで
鍵は預かっていてね」と
100%信頼してくれている。
どうやら気に入ってくれたのは
依頼者だけでなく
同じ空間を共有している
目に見えないものたちも
歓迎してくれる。
この翌週はあちこちの電気をつけて
歓迎してくれた。
その中で一番かわいかったのは
子供部屋のランプ。
頭をぽこっとたたくと
点いたり消えたりするこのランプは
今日も歓迎してくれた。
姿は見えない何かに
投げキッスをして家を後にした。
foto Yaegashi Luna