アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

ねじれたリボン

パーツ作成を依頼されて

リボンをたくさん作っている。


1本のひもをリボン結びすると

必然的に中心部にねじれができる。


左右の輪と紐の長さを

上手に整えて

綺麗な形にはできるけれど

くるりとひもを回して

ねじるのだから

どこかに必ず斜めのラインができる。


ところが依頼されたリボンは

なるべく左右対称に

ねじれを裏に持っていく。


すっと結ぶリボンではなく

無理矢理にねじって

裏側を縫って固定する。


この作業をしていると

人間が表の顔を繕うために

どれだけ内面を捻じ曲げているか

そんなことを連想する。


表面的に揃って見えるように

捻じ曲げた部分があることに

気付くならばまだましだ。


大抵の人は

自分が何かを捻じ曲げて

表面を綺麗に見せていることに

気付くことなく過ごしている。


そんな教育を受けるし

そうすることがあたりまえだと

幼いころから叩き込まれるから。


どんなリボンを結びたいのか

選ぶのは自分自身。


誰かに形作られたリボンを

解いて自分で結びなおす。

それを自立と呼ぶ。

私はそう思っている。



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foto Yaegashi Luna