アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

瞳に映る世界と影絵

昼寝から起きたとき

ふとベッドの近くの壁をみた。

ほんの少し射し込む窓明りで

鉄製の飾りの影が浮かび上がっている。


白い壁とベッドの距離は数センチ。

それでも光が映し出す影は

本物の飾りとは異なる形をしている。


おそらく私達は

こんな風に現実を見ている。


光から遠い場所では

原型がうっすらとわかる程度。

窓の近くの影はくっきりしていて

元の形にかなり近い。


壁に映るものは私達が見ている物質世界。


物事がうまくいかないとき

私達は影の形を変えようと

一生懸命壁に細工をしようとする。

当然影はぴくりとも動かない。


壁に映る姿を変えたければ

本体を動かさないと

何も変わらない。


だからこれまで先人達が

何千回も何万回も何億回も

言葉を変え表現を変えて

繰り返し繰り返し言っている。


「見える世界を変えたければ

自分自身の視点と行動を変えろ」と。


半身を起こして

手で影絵遊びをした。

わんわんわん!


自分の手の影だとわかれば

恐ろしい狼には見えない。


ばいばい、と手振って

私は動く。



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Foto Yaegashi Luna