アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

大好きな人のところへまっしぐらに向かう女の子は承認欲求ワクチンを受け付けない

職場の会計担当の娘さんは

ミシン業務担当のDが大好き。

伯母である経営者の女性が声をかけても

周りにいるたくさんの人が挨拶しても

返事をせずにまっしぐらにDのもとへ走る。


今はハグ&キスを奨励されていないので

熱い抱擁シーンは見られないけれど

見事なまでのまっすぐな行動は

周りにいる全員の心をあたためる。


声をかけて無視された伯母でさえ微笑む。

とにかくストレートに愛情を言動にする。

大人になるとやりがちな

遠回りな表現や言動をしない。


ただシンプルにDが大好き。

だから脇目も振らずに彼女の胸に飛び込む。

ミシンに貼ってある写真には

「永遠に友達」と書いてある。

素敵な関係を年齢差など気にせずに

体験できるのは素敵だと思う。


この女の子はとても愛らしい顔だちで

学校の成績もいいらしいので

周りの大人は褒めことばを言う機会が多い。


ところが。

彼女は称賛のことばを誰かが発すると逃げる。

先日も「大きくなったわね!」と

ひとりの女性が声をかけたとたんに

踵を返して休憩室へ一目散に隠れた。


いいこ、えらい、すごい、よくできました。

そんな褒めことばを浴びることで

ごきげんになる育ち方をすると

承認欲求の呪縛から一生逃れられないと

本能で知っているのかもしれない。


子供も部下も生徒も褒めて育てろ

という定説を覆したアドラー心理学。

ご褒美を餌に何かをするというパターンを

ワクチンのように植え付ける社会で育った私達は

なかなか比較競争の心理から抜けられない。

承認欲求を手放すことができない。


自分以外の誰かに認められないと

人生に意味はないと感じてしまう。

そういう無価値観の塊のような人間が

ひとりでも減って欲しい。


この女の子のような「生き方を体現する」人が

彷徨える大人達へ指針を示すのかもしれない。

素敵な教えの種がふわりと風にのって

あちこちに広がりますように。



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Foto Yaegashi Luna