アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

歴史漫画「チェーザレ」惣領冬美さん

イタリア語版があることを

数日前初めて知った。

少女漫画界で活躍している頃から

大好きだった漫画家のひとり。


美術系の学校出身で

デッサン力が卓越。

その仕事っぷりを紹介する

YouTube動画を見た。


実際にイタリア現地取材をして

資料をスーツケース2つ分

持ち帰って描いている

そのリアルな背景や衣服は見事。


少女誌時代も人体やバイクそして背景。

すべてのデッサンが

当然整っていたので

心地よく楽しませてもらった。


下手ウマと呼ばれる系列や

個性的なマンガも大好きだけど

彼女の飛び抜けた画力は

見ていて本当に気持ちよかった。


イタリアに来た頃に

連載中だった「Mars」は

映像化されたことも先日知った。


その頃の画風はどんどん

他の少女漫画っぽくなっていた。

写実的だった瞳が

異様に大きく変化していた。


「チェーザレ」では彼女の画風が

また写実方向へ戻った。

当然製作時間はかかる。

「何の罰だろう」という思いと

プレッシャーを抱えているらしい。


イタリア語版の方が

日本語版より反響があるから

イタリア人に突っ込みを

入れられないように

当時の背景や衣装を

可能な限り再現している。


ものすごい作業量。

1年で3回くらいしか

家を出なかったこともある程

引きこもり度が高いそうだ。


ものすごく描き込んだり

細かい部分まで手を入れて

なおかつエネルギー状態が

軽いものを作るには

作者の意識がとても大事。


世に残る名作と呼ばれるもの

すべてが心地よいものではない。

作り手の想念を感じるから。


惣領冬美さんの既読作品で

いちばん印象深いのが「サボテン」。

いろんな種類の登場人物の配置と

絡み具合が心地よかったし

人物の外見・内面描写が見事。


次回日本に行ったら

レンタルか漫画喫茶で

読みたい漫画がたくさんある。

楽しみだな。


f:id:yluna:20210407132343j:plain

Foto Yaegashi Luna