アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

経営者とチームリーダーの見解が間違っていると気づいたときどうする?

私がとった行動は以下の通り。

硬くて曲げにくいチャックを
折り込んでデリケートなシルクに
きれいに縫い付ける作業。

指示された糸とチャックの色が
あまりにも違うので
とても難しい条件。
それでもなんとか
やり方を工夫してコツを掴んだ。

エスプレッソコーヒーを飲んで
休憩しているときに
ふと依頼先から送られてきた
見本を手に取った。

あ、糸の色が違う。

気づいたのですぐに
最高責任者であり経営者である
Tに確認をとった。
「今まで現場で使っていた色を使え」
と彼女は言う。

チームリーダーLに確認する。
彼女もやはり
色を途中で変えることに
難色を示している。

他の部分で使った色だし
表にぱっと見える色彩だから。
そんな先入観が彼女達から取れない。

さらに人の持つ「整合性」が
頑なに変化を拒もうとする。
最初から最後まで同じ工程やパターンを
繰り返すことが安全だと感じる性質。

そこでこうした。
依頼先の見本と同じ糸を使って
端処理作業したものを見せた。

チャックと同じ色だから
簡単にしっかりと縫い込める。
見栄えも当然美しい。

チームリーダーLは経営者Tに
「意見しない」方針を貫く。
つまりは使いにくい糸を
使い続けることを勧めてきた。

そこで決断した。
もし勝手に色を変えて
責任を追求されたら私が手をあげる。
だから綺麗に素早くできる糸で
残りの服は作業する、と。

パートタイムの私は午前中勤務。
午後は必要に応じてチームリーダーが
私の担当箇所の作業をする。

彼女がどうするかは
私の決断ではどうにもならないので
何も言わずに帰宅した。

翌日チームリーダーが補佐した
チャックの端処理部分を見たら
私が変更した色を使っていた。

気づいたのだ。
彼女と経営者Tが勘違いしていたと。
依頼者からのサンプルの色なのだから
あたりまえだけれど綺麗に仕上がる。

ひとりだけ周囲の過ちに気づいたとき
しかもある種の権限を持った人物が
「まちがえている」とわかったとき
責任を負いたくなくて
多くの人は指示どおりに動く。

そんな風潮があるから。
ルールや命令・指示には従えと
教育されて育つから。

イタリアでだってそんなこともある。
日本では言わずもがな。
おかしいと思っても何も言わない。
黙って「ことなかれ主義」を貫く。

決めたのは俺じゃない私じゃない。
だからまちがえた決断をした
上司・責任者・経営者のせいだ。
そんな風に全てのことを
自分以外の誰かのせいにしたがる。

たしかに簡単ではない。
でも私は気づいたことに
知らん顔はできない。

見てみぬふりをすることが
必要ときももちろんある。
線引きの基準は
「実際に自分がやることか否か」
そこで決めている。

暑さが続く日々。
気温があがる時間帯は休んで
早朝と夜に活動しています。
楽しい週末を。

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Foto Yaegashi Luna