アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

こねくりすぎると固くなる

料理をしていると
よく人生哲学に気づく。

素材を活かす。
身近にあるものを使う。
下ごしらえや下味は大切。
臨機応変に具材を変える。

同じ素材も扱いで変わる。
火加減・水加減は大切。
待つことも大事。
タイミングも命。

彩りよく盛ると映える。
食べ頃がある。
いい食材でも腐る。
切り方で食感が変わる。

あげたらきりがない。
そもそもすべての
ヒトの行為が生きるため。
だから日々の静動はすべて
人生哲学に直結している。

それに気づいた人が
言葉にした学問が哲学。

人生のゴールは死。
誰もが避けられない。
生まれたときから
私達はゆっくり死んでいく。
死に様がその人の生き方を語る。

どうやってどこで
肉体の命の幕をおろしたいのか?
その意識があれば
日々の日常の選択も
あまり迷わない。

暴飲暴食の果てに
薬づけで病院で旅立つのか。
なるべく自然の流れに沿って
家で静かに眠りにつくか。
その選択は自分でできる。

「病院で生まれて病院で死ぬ。
 これが当たり前になっている
 都会人はみな病気。
 仮退院中の人生だ」

と解剖学者の養老孟司さんが
話していたことにうなずく。

粉を扱って料理することで
学んだ教えはタイトルどおり。

「こねくりすぎると固くなる」

粘りのもとグルテンが
幅を効かせすぎるから。
グルテンフリーの粉には
つなぎが必要になる。

粘り要素が生来ない人は
つなぎ成分を適量加える。
もともと我慢強く
粘りの性質を持っているなら
こねくり過ぎずに
寝かせて休ませる。

ああだこうだと
理屈をこねくりまわさずに
適度に混ぜたらまるめて休ませる。

快適な温度・乾燥しない環境で。
寝かせて発酵したら
かたちを作るタイミング。

火加減・水加減は
最後の最後まで大事。
そしてできたものを
誰とたべようか?

この問いを胸に
毎日のあれこれを決める。

今、涼しい早朝の空気を
窓から家に流し込んでいます。

素敵な1日をお過ごしください。

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Foto Yaegashi Luna