アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

ポンテ・現代版の人柱は立候補者がやる

イタリアで橋を意味するPonte。
村上春樹さんの小説に
時折キーワードとして登場する。
橋?とひっかかる言葉だった。

「人々はどかどかと僕の上を
 通り過ぎていく」

という感じで使われている。

なるほどね。
そういう感覚っておもしろい。

橋がないと渡れない場所に
丸太や渡し板などを置いて
その上を歩くことで
まったく違う景色が見える
反対側へ渡ることができる。

その年代や地域の社会常識から
はみ出た場所へ通じる道は
誰かが人柱になって橋になる。
人間はそんなことを繰り返す。

ニュートン「万有引力の法則」
コペルニクス「地動説」
ガリレオ「地動説」

当時の社会では皆
批判を浴びた人々。
引力は目に見えないし
大地が動いているように
体感できないから。

それならば。

別世界へ行きたいのなら
社会常識の枠を出た視点や
考え方を追求することで
橋を築けるのだろう。

多勢に逆らうのはキツい。
逆流を泳ぐには体力がいる。
風に逆らって進むには馬力が必要。

でもそれを楽しめるならば。
少し様相は変わってくる。

なにかを世に出すタイミングは
確かに存在する。
理解されない表現や言葉を
使っていては通じない。
その時代に求められないものを
作り続けても事業は回らない。

例えばコミュニケーション技術。
デジタルネットワークが
普及していなかった時代の
直接的なテクニックだけでは
現代社会に通用しない。

相手を思いやる気持ちや
良好な関係を築きたいという
考えは基本的なものだけれど
時代に流されることなく
合わせる柔軟性は必要。

少し未来を想定してみる。
私達人間が肉体という器を
使わなくなる頃には
テレパシーでのやりとりは
あたりまえになるので
不思議なことではない。

まだ数百〜千年くらいは
個々の肉体を通して
言語・言葉というものを使っての
交流手段が主流だろう。

だから今「テレパシー活用講座」を
やってみても変な人扱いされるだけ。
需要もないから供給もない。
あるかもしれないけれども
ごく一部のマニアックな世界。
まだ少し早すぎる。

ちょうど今「橋」になっているのは
偏り過ぎないスピリチュアル界隈。

占星術・前世療法・引き寄せ
夢日記・潜在意識・集合無意識
こういった切り口で
癒やしや自己理解をして
実際の生活や仕事を
上手くやっていく。

そんな風潮がある。

あちこちにたくさんの
人柱が立っている景色がみえる。
皆「ポンテやります」と
立候補して楽しそうに活動している。

うんうん。いい感じ。

今日イタリアはエピファニア。
べファーナという魔女が
いい子にはお菓子やおもちゃを
届けてくれたはず。

雨の夜だったので
ほうきに乗って飛び回るのは
さぞかし大変だっただろう。

クリスマスのサンタの後に
またプレゼントをもらえる
イタリアの子供達はラッキー。

よい子のイタリア人達は
ポンテと呼ばれる連休。
金曜日を挟んだ休日なので
橋渡しの連休。

韓国では織姫・彦星の
橋渡し役の象徴カササギ。
美しいこの鳥が庭でなにかを
つついている姿をみながら
ホットチョコレートを飲みつつ
「ポンテ」のシンクロを
つらつらとしたためました。

素敵な1日をお過ごしください。

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Foto Yaegashi Luna