アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

沈みゆくタイタニック号を港に手繰り寄せる

そんな夢を見た。
最初はタイタニック号の周りを
さまよっていて飛んでいた。

客船の明かりが消えて
乗客たちが貴重品を持ち
ボートに乗って
脱出しようとしている姿が
ちらほら見えた。

やがて私は港に立ち降りて
明かりの消えた豪華客船を
心配そうに見つめている
家族たちの姿を眺めた。

気が付くと私は船内にいる。
誰もいなかった。
船の中は白い柔らかな素材。
なにもない空間。

船が傾いていることだけが
体感としてわかる。
どちら側に体を寄せたら
沈みゆく船から海に飛び出して
助かるだろうか?
そう考えて肉体を移動させる。

船の縁のようなところに
しがみついたとき
波しぶきがかかり
港の埠頭で心配そうに
船を見守る人間の群れが見えた。

タイミングよく
港の端に捕まれば
移動できそうだった。

両手でがっしりと
港の金具のような何かに捕まって
船ごとぐいっと引き寄せた。
ものすごい力で。

船から降りて港に立ち
そばにいた男性に声をかけた。
船が沈まないように
大きなコンクリートブロックに
丈夫なロープで結びつけた。

これで大丈夫だよね?

うん、きっと大丈夫。

その男性は答えた。
そこで目が覚めた。

お昼寝をたくさんしたので
夜更かししました。
おやすみなさい。

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Foto Yaegashi Luna