アレコレ楽書きessay

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届いたのは赤ワインだけではなくて

先週末、夕食に招待された。
ワイン蔵でアルバイトをしている次男に
メニューに合わせたワインを
選んで持ってきてもらう約束をした。

ところが当日
アルバイトには行かず
次男は帰宅後家で眠っていた。
早朝通学・サッカー練習・宿題の
疲れが溜まっていたのだ。
彼は父親と暮らしている。

メッセージを送っても
返信がなかったので
きっとそんなことだろうと
見当がだいたいついていた。

職場を離れる同僚との夕食前に
私はワイン蔵へ立ち寄り
次男が買う予定だったボトルを
購入してから出発した。

昨日の夕方ひょっこり
次男が私の家にやってきた。
わざわざボトルワインを
持ってきてくれた。
約束を忘れてごめん、と。

針仕事仲間との楽しいひと時を
彼のおすすめワインは彩ってくれた。
それだけで十分だった。

それなのにアルバイトでもない日に
別の赤ワインを買って家まで
バイクで届けてくれた。

せっかくだから
息子たちと夕食を食べるときに
開けて一緒に飲むことにした。

次男が私のところへ
届けてくれたのは
ボトルワインだけではない。

それはなにか
あえて言葉にはしない。

言語で切り取ってしまうと
私がその時感じた感覚が
限定されてしまうから。

親子だからとか
家族だからといった
ありきたりな表現で
ちいさな形におさまらないもの。

たぶん私達の魂が
ふるえて喜ぶものは、それ。

それをまるごと
ワインと一緒に今晩
息子たちと味わった。

話も弾んだ楽しいひととき。
やっと暗譜できたピアノ曲も
つっかえながら息子たちに披露。

穏やかな笑顔と
リズミカルな会話を
存分に満喫した夜。

おやすみなさい。
素敵な夢をみれそうです。


Foto Yaegashi Luna