アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

3年間やったこと・やらなかったことの証

元ダンナの入院が
長引きそうなので
近頃ちょくちょく
息子達の所へ行く。

イタリアに来てから
約20年暮らした家を出て
もうすぐ3年が経つ。

飾り棚や収納家具
キッチンのあちこちに
埃・水垢・汚れが
溜まっている。

なにかを3年間続ければ
たいてい誰の目にも見える
効果や変化がわかりやすく
視覚化される。

元ダンナと息子達が暮らす
家のあちこちには
「3年間やらなかった」
証が目に見える。

家の外に出て稼がないことを
「なにもしなかった」
「全部俺が賄っていた」
と彼は別れる前に言った。

ちょこちょこと工夫をして
稼いでいた現金も
日本から持ってきた貯金も
彼にとってはなかったことに
脳内変換されていた。

言葉尻を拾ってケンカする気は
さらさらなかったから
なにも言葉にしなかった。

胸の内で思った。

「そのうちにわかるよ。
 私がこの家でやっていたことが
 どんなことだったのか」

3年後の家の様子と健康状態を
実際に見れば誰にでもわかる。
目に見えてはっきりと。

家のあちこちに埃が溜まり
動けなくなって入院した元ダンナ。

物があるべき場所に配置され
快適な状態の家で
健康的に暮らすワタシ。

何度も伝えたのに。
快適な場所で健康体で
笑顔で暮らすコツを
言葉にして実践していた。

薬をやたらと服用したり
服用させようとしたときに
ブレーキをかけると
「オマエは医者じゃない」
「偉そうに言うな」

日本語の個人レッスンや
通訳の仕事がやってきたら
「男と仕事をするな」

夏休みに息子達を日本に
連れて行こうとしたら
「子供達を連れ去るな」

なにそれ?!
どこの時代の感覚だ?
みたいなことを言われても
徹底的に論争する気には
全くなれなかった。

呆れて驚きながらも
「家族の調和と笑顔」を
保つ術をなんとか工夫していた。
もちろん私自身の笑顔も含めて。

子供のことに関しては
彼らを守るためにも
言うべきことは言ったし
やるべきことはやった。

いつも理不尽な言動をする
人ではなかったし
基本的に穏やかで楽しい暮らしを
20年間共同作業でやってきた。

ただし私の言動が
「彼の理解の範疇を出なければ」
という条件があった。

それを外したら
別々の道を歩くしかなかった。

冬らしいきりりとした
空気が美味しい朝です。

素敵な日曜日をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna