アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

坂道を下りるときに

小学校の近くに

急な下り坂があった。

傾斜角度がキツイので

自然と歩幅が狭くなる。

 

いつもその場所に差し掛かると

「何も考えない」ことを

自分に課していた。

 

最初は「何も考えない」と

脳内でコトバが響く。

やがてその言葉も消える。

 

学校が嫌だった訳でもなく

家の居心地が悪かった訳でもなく

ただ頭を空っぽにする坂道だった。

 

その頃は瞑想なんて言葉を

知らなかったけれど

定義も方法も伝授されなくても

ひとりでやっていた。

 

母親のお腹に降りてくるとき

同じことを皆やるのかもしれない。

 

最近生まれたばかりの

かわいい女の子の顔を眺めて

ふと、そう思った。

 

 

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foto Yaegashi Luna