片付けをするときに
「今」と「これから」を意識する。
「これまで」の記憶や思い出は
人生のスパイス程度でいい。
そうやって取捨選択している。
隙間産業がやがて成長するように
持物の間にできた空間に
新しいアイデアが降りてくる。
そして広がっていく。
隣の人と肘がぶつかるような
狭い空間ではゆったり食事ができない。
それとすごく似ている。
とにかくたくさんの素材を
抱え込んでいたから
単純に作業がやりにくかった。
アトリエと自宅が別の場所だったので
持ち運びしやすいように
小分けにしていた物をまとめて整理。
大量生産しないと決めたから
使いたい分量だけ残す。
引き出しひとつひとつ。
瓶や箱の中身もひとつずつ。
一段落したらひらめきにまかせて
手を動かしてなにかを作る。
完全に整理が終わってから、と
縛りを作ると不自由だし
途中で止めたままだと
いつまでも放置される物が増える。
そのバランスは人生そのもの。
そんな気がする。
衣食住のやり方も好みも
刻々と変化するのだから
それにリズムを合わせて
物たちの配置やあり方も変える。
「好き」が多い人生は楽しい。
でも「好き魔」度合いが過ぎると
モノゴトに囲まれて
身動きが取れなくなる。
たくさんの男や女をたぶらかす
遊び人が詰め寄られるように
家の居心地が悪くなる。
スキのある人間は魅力的。
スキマのある空間は便利で快適。
針仕事へ行ってきます。
素敵な1日を。
Foto Yaegashi Luna