日本で公務員をしていた頃
ゴールデンウィークに
MYSTという難解ゲームをやった。
謎解き系のゲームをクリアした記憶は2回。
ひとつは兄が買ってきたのに
私が先にやってしまったもの。
もうひとつがこのMYST。
かすかな動きの音がする程度で
ヒントが皆無に等しい。
自分が誰で何をどうすればいいのか
全くわからないまま行動するしかない。
最後まで飽きずにハマっていたのは
現実世界の人生の謎に似ていたからだと
今になって改めて思う。
誰かが綺麗に作った道を
黙ってきちんと歩く生き方は
いつも性に合わずに飽きてしまった。
音楽・絵・スポーツ・ダンス・文章。
就職・結婚・離婚・起業。
家事・育児・料理・掃除。
人生を彩るどのパーツをとっても
基本を忠実に守り淡々と続けることに
喜びを見出す事ができない。
かといって奇抜な方法で
何かを極めたいという衝動もなかった。
得意だったのはどんな些細なことでも
とにかく工夫をこらすという作業。
道具の片付け方を変えてみたり
いつものパターンをアレンジしたり。
少しのことで作業スピードがあがったり
楽になる実感を体験することが好き。
どこにも書いてないヒントを
体得する感覚が楽しいのだ。
丁寧に教わるよりも
観察して自分の手やってみたい。
朝通っている針仕事でも
みえない動線に沿って物の配置をずらしたり
頻繁に使う物とたまにしか使わない物を
こまめに分類整理したりする。
そんなささやかな工夫が大好き。
実際に人生を大きく変えるのは
そういう小さな違い。
繰り返されることでいつの間にか
現実が予想外のスピードで動く。
こつこつと頑張って努力するから報われる
という感覚とは少し違う気がする。
おもしろくて何度もやっていたら
もうこんなにできていたという感じ。
さて本日もコントローラーを手に
身体を動かします。
Foto Yaegashi Luna