アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

名前がある・名前を決める効果

はっきりしない感覚や
よくわからない関係性に
呼び名があると
輪郭がくっきりするような
安心感を抱く性質を
私達人間は持っている。

名前があることで
なにかが枠に収まる。

名前と概念を結びつけながら
〇〇と✕✕の関係性を覚える。

そうやって思考や記憶を
整理しながら学ぶことを
学習と呼んでいる。

たいていのことは
その流れに収まる。

少し厄介なのは
名前がはっきりしない
物・感覚・現象・関係性に
出会ってしまったとき。

なるべく似ているものを
一生懸命探って
正体を突き止めようとする。

それが好奇心と上手く絡んで
知識や技術の学びにつながり
仕事や使命になると
人は「飽きない人生」を歩む。

けれども
はっきりしないことに
名前をあたえてくれる
「人物」や「存在」達を
盲信的に崇め始めると
いろいろなことがズレてくる。

やっと見つけた「名前」を
自分の言動の理由として
しがみついてしまうと
これまたズレてくる。

時に私達は手に負えない事象を
なかったことにするために
名前すら与えないこともある。

またはネガティブな名前を充てがい
「よくないこと」の範疇に
押し込めることもある。

自分自身やこれまでの信念体系を
根底から崩さないために。
過去を守ろうとするために。

最近たくさんの
新しい「名前」を習得しながら
あらためてそんなことを考えた。

針仕事へ行ってきます。
素敵な1日をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna