長男が日本語の勉強を始めた。
ひらがな・カタカナの
単語帳を作りたい、というので
適した紙とリングと
穴あけパンチを用意した。
次男は甘い物断ちを始めた。
私も普段は砂糖断ちをしているので
塩味のクラッカーを作った。
父親と暮らす息子達のところに
単語帳作りの道具と
手作りクラッカーを持って
訪問したのは午後6時。
作業をしていたら
元ダンナが帰宅して
夕食の話になった。
魚のトマト煮込みが絶品の
店を予約してある、と言うので
私も一緒に行くことにした。
ちょくちょく通っていた店で
相変わらずの美味しさだった。
運転手は免許証を取りたての次男。
レストランの支払いは長男。
はからずも親が夢見るシーンに
単語帳とクラッカーのおかげで
参加することができた。
息子達が幼い頃から
何度も通った店で
我が子の成長をリアルに感じる。
親冥利に尽きる瞬間だ。
成長を見守る立場の人間が
最も喜びを感じるのは
見守っていた存在がたくましく育ち
羽ばたいていく姿を目の当たりにする
その瞬間だと思う。
精神的に自立した人間同士が
協力し合うことで社会がまわるように
家族のメンバーそれぞれの
能力と役割を自分らしく使うことで
小さな集団が機能する。
その定型にハマらなくても
私達ならではの家族の形がある。
年月を経て役割が変化する。
その分岐点のような夜だった。
きっかけは単語帳とクラッカー。
なにがどんな風につながるのか
わからないからこそ
人間世界はおもしろい。
素敵な日曜日をお過ごしください。
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