アレコレ楽書きessay

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より削ぎ落とした方が全体のバランスが整うという極意

この秘技を伯母から教わった。
小学生の頃の夏休み
よく親戚巡りをしていた。
両親の生まれは岩手。
東北方面をまわることが多かった。

当時福島に住んでいた伯母は
華道と茶道を教えていた。
私がひとりで遊びに行ったとき
彼女が基礎を教えてくれた。

フラワーアレンジメントや
華道を他で習ったことはない。
植物と会話をしながら
器にバランスよく配置するのが
得意だし大好き。

「ちょっと取り過ぎかなと
 思うくらい枝葉をはらうのが
 ちょうどいいんだよ」

花を活かすために
枝葉をどこまで取るか
伯母がそう教えてくれた。

野草を生けるときいつも
この言葉が蘇る。

そしてこのアドバイスの普遍性に
大人になってから気づいた。

生花と同じように
私達の暮らしや人生は
いくつかの要素を組み合わせて
形にしていく作業の連続。

器(家や職場や身体)に合った
花や植物(イベントや物事)を
程よく仕立て上げる。

場所や素材が変わっても
いつも今ある器と素材を
活かして形にするには
よくよく観察して無駄を手放し
バランスよく整えればいい。

どうしても手に入れたい器や
珍しい花や植物を探すことは
けして否定される行為ではない。

だけどまず
手元にある器で足元にある草花で
バランスを整えることが
できない状態ならば
少し視点を変える必要が
あるのかもしれない。

物事を抱え込みすぎる人が
本当にたくさんいる。

はらいおとし過ぎかなと
思うくらいがちょうどいい。
自戒を込めて記しておく。

針仕事へ行ってきます。
素敵な1日をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna