アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

日本の社会生活では身につけにくいこと

今の職場にはイタリア人だけでなく

いろんな国で育った人がいる。


どんな暮らしをしてきたのか

どんな教育を受けてきたのか

詳しくは知らないけれど

日本の職場環境と大きく違うのは

それぞれが自分の価値観を

ごく自然に大切にしているということ。


特に今は過密状態にならないように

昼の休憩時間をばらばらにとっている。

だから各自の個性が出やすい。


早めに休憩室で食べる人

空いてから食べる人

自分の席で食べる人

おのおのが好きなように行動している。


私はイレギュラーメンバー。

普段は昼ごはん前に帰宅する。

だからそんな様子を今月初めて知った。


食事中にスマホで家族とやりとり。

お弁当のメニューについておしゃべり。

無言で黙々と食べる。

とにかくみんながマイペース。


特定の誰かとべったり仲良く

いつも一緒に行動するような傾向が

幼い頃から私にはなかったので

とても居心地がいい。


好き嫌いをさらりと言葉にするし

自分の尺度を相手に強要しない。

「いったん同意してから

控えめに自分の意見を言いましょう」

などという小賢しい会話術なんて

端から全く必要がない。


自分が心地よいやり方・生き方を

自然に身にまとう暮らしを

してきたんだなと感じる。


好かれるように嫌われないように。

周囲の調和を乱さないように。

そんなことよりも自分自身の

本来のペースと好き嫌いを

あたりまえに表現しながら生きている。

だからこそ自然に全体の調和が生まれる。


もちろん息が合う人とは仲良くなるし

趣味も話もズレまくりの人もいる。

だからといってねちねちとした

不快な人間関係は生まれない。

我慢をしないから我慢を強要しない。

人間関係の歪みが少ない。


日本の学校や社会環境では

身につきにくいたったひとつのことを

概して西欧人は身にまとっている。

「自分の好き嫌いを知っている」

たったそれだけの違いだと思う。


そしてあたりまえに「好き嫌い」を

言葉にして言い合う。

好みや趣味が違ってあたりまえ。

心地よい生活習慣が違うのも当然。


やりたいことをやりたいように

やっているから他人が気にならない。

必要以上に介入もしないし

余計なお節介も焼かない。


周囲のことを考えたり

相手のことを気遣う気持ちは大切。

だけどその前に自分自身で判断する

価値基準に自らが責任を持つべき。

誰かや何かのせいにしている限り

健全な自分軸は育たない。


丸暗記やたったひとつの正解

伝統やマニュアルの押し付け

そういうものに偏らない社会に

なればいいなと願う。


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Foto Yaegashi Luna