クリスマスの時期に
家の玄関で出迎えてくれる
トナカイの親子は
街中の大きなゴミ箱の前に
捨てられていた。
ペルージアのど真ん中で
雑貨屋をやっていた頃は
店を彩っていた親子。
その後数年間は友達の店を
夜も明るく照らしていた。
首が動かなくなっていた
大きなトナカイを
近所の電気屋さんに
修理してもらったのは3年前。
それからは毎年この季節
我が家の玄関を
あたたかく照らしてくれる。
まだまだ活躍できるのに
ぽいっと捨てられた物達を
私はそのまま放置できない。
人間や動物だと
とても保護しきれないけれど
なんとかなりそうな物は
とりあえず同伴帰宅する。
普段の暮らしを圧迫しない範囲で
むやみに捨てられた物を
救済することで
私自身が助けられている。
資本主義の消費社会では
人間達が動きまわると
ものすごい量のゴミを排出する。
人は生きているだけで
排泄するのだから
ある程度は仕方ないけれども
現代の状態は目に余る。
すべてのホームレスの人や動物を
片っ端からひとりで
救済できないように
世の中にあふれる余剰を
回収して再び活躍させることは
ひとりではできない。
今できる範囲で
彼らのポテンシャルを引き出す。
こんな風にまだまだ使える、と
気づいてくれる人が増えれば
その周辺に輪が広がる。
安くて使い捨てできるものを
次々買ってゴミを増やす暮らしは
もう限界にきている。
地球も人も悲鳴をあげている。
次の世代、次の次の世代
その先の世代の人間に
美しい地球を残したいのならば
ぽいぽいと捨てまくる暮らしを
そろそろ辞めないといけない。
おやすみなさい。
Foto Yaegashi Luna
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