アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

最後のひと押しはクリムトの絵だった

何かを表現したいという意欲は
人間が生きるための大切な
栄養源のひとつ。

生来とても器用に色々なことを
さらりとこなす身体能力を
両親から授かった。

器用貧乏というやつに
なりかねない資質を
そこそこうまく乗りこなして
生きてきたと思う。

実際に行動してきて確信したのは
大衆が見逃しがちな物の中にある
隠れた可能性を最大限に引き出す
心眼と手先の器用さは
天下一品だということ。

端切れや残り素材など
廃棄物としてあっさり処分される
物達の声が聞こえるし
クリアにヴィジョンが見える。

これをこう仕立てたら
こんな感じに素敵な物が出来上がる。
という一連の流れが
ぶわっとなだれ込んでくる。

そしてそれを完成させる
技術と器用さを持っている。

自分にストップをかけていたのは
「こんな単純作業は誰でもできる」
という呪いのことば。

見事な刺繍も細やかなデッサンも
紐解けば一本の糸を刺し
一本の線を引くことの繰り返し。

ひとつひとつの作業を
どんな風に組み合わせるか。
そこに働く力が
才能だったり情熱だったりする。

そのことを頭で解っていても
すとん、と腑に落とすことが
なかなかできなかった。

なんとなくもやもやしながら
真夜中のベッドから立ち上がり
手に取ったノートの表紙には
クリムトの絵があった。

彼の代表的な人物画ではなく
大きな公園の木をキャンバス全体に
点描で描いた作品。

その点々を眺めながら
最後のひと押し的な感覚が
すとんとやってきた。

点は誰でもキャンバスに置ける。
たくさんの点を置いて
絵に仕上げる一連の作業が
人生そのものなんだよな、と。

点を置く場所を選び色を置く。

なんどもなんどもなんども。
いちいち数えていられないくらい
なんどもなんどもなんども。

そうして絵が完成する。

今年の春先に手放した物の空間に
新たな素材達がやってきた。
職場の倉庫整理で
処分される寸前の素材の山。

もし小売店で購入したら
安く見積もっても
総額15万円以上に相当する品々が
プレゼントとして届いた。

流れに身を任せて
自分軸で生きることを楽しむ
エネルギーの凄さを
またしても見せつけられた。

クリムトの絵の点描のように
パーツをひとつひとつ作る作品の
アイデアが舞い踊る。

イメージが形になる日が楽しみ。
そしてなによりも
その旅路にときめく。

針仕事へ行ってきます。

素敵1日をお過ごしください。



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