アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

人間臭いドラえもん

隣の席で針仕事をしている

臨時作業員の人がドラえもんに似ている。

ジャイアンとのび太とドラえもんを

混ぜた感じの30代の女性。


どうやら彼女は私の持つ

「深層心理を引っ張り出して拡大させる」

エネルギーに共鳴して

嫉妬心を剥き出しにしている。


「痩せたい」

「正規採用のポストが欲しい」

「お金が欲しい」

彼女は実際そう言っている。


「ぱくぱくお菓子を食べても太らない」

「正規採用のパートタイム」

「お金に余裕がある」

隣に座っている私が彼女の欲しいものを

全て持っていることに気づいている。


さらに針仕事歴が私よりも長いのに

1時間で仕上げる枚数を測ったとき

私の方が1枚多かった。

そこから彼女の深層心理に火がついた。


職場でお菓子をすきなだけ食べても

ぶよぶよと太らないのは

毎日のストレッチや柔軟体操が習慣化していて

食事も必要以上に食べないから。


他の人達より遅く出勤して早く帰る

優雅な勤め方を現実化させて

お金に振り回されない暮らしをしているのは

もう長いこと自分軸で世界を創造してるから。


私はきちんと自分自身と向き合ってきた。

人はそれを努力と言うのかもしれない。

ただ淡々と繰り返し内省しては

いらないものを手放している。


適度な運動の習慣も小学生の頃から

長い時間をかけて身につけている。

彼女が欲しがっているのもを

魔法の杖で一夜にしてぱっと

手にしているのではない。


人は身近にいる人物に

嫉妬心を吐き出しやすい。


そしてほんの少し自分より

「劣っている」

「大変そう」

「かわいそう」

に見える人に優しく接する。


なぜか。

劣等感を感じないから。

優越感を感じさせてくれるから。


人間臭いドラえもんは

イタリア語があまり上手に話せない女の子と

3人の子育てで大変な人にはいつも優しい。


私に対する態度が常にキツい訳ではない。

むしろ朗らかで世間話もおしゃべりも

普通に明るくしている。


ここぞ!という機会があれば

深層心理にねじ伏せている嫉妬を

してやったり!とばかりに吐き出すのだ。

その流れが手にとるようにわかる。


なぜならば私も似たような経験を

したことがあるから。

その頃は何故むかむかするのか

よくわからなかった。

今はそのからくりがわかる。


ではどうするか。

ぴしりとあたりまえのことを言う。

難癖をつけられても相手にしない。

そしてまた淡々とマイペースで手作業をする。

彼女の言葉にペースを乱さない私の態度を

どう捉えるかは私の問題ではない。


いつか彼女も自分の言動が

嫉妬から来ていることを理解するだろう。

それは私の心配すべきことではないから

頼まれていないカウンセリングはしない。


彼女は私の過去の姿。

鏡に映る古い嫉妬心を見せてくれた

その役割に感謝してそっと心でつぶやく。

「ありがとう、ドラえもん」



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Foto Yaegashi Luna