アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

夜が本来の闇だった頃、人は闇の尊さを全身で知っていた

先進国と呼ばれる国の
「普通の暮らし」から
夜の闇が消されて
明るくなった分だけ
人の心に闇が忍び込んだ。

太陽が地球の反対側を
照らしているとき
人も植物も眠る。

夜行性動物以外は
身体を休めて肉体の活動を緩めて
最小限の生命維持の
身体機能に身を委ねる。

そして肉体を持ったままでは
たどり着けない世界で
浄化や情報収集をする。

明るすぎる街を徘徊する
人間の形をしたゾンビ集団。
健全な眠りの世界に
すんなりと入れない人々。

「闇が怖い」と明かりをつける。

不自然な光のもとで
歪んだ思考がのたうち回る。

ハロウィンの夜に彷徨うのは
仮装した若者だけではなく
昇華されない個々の切望。

切望が絶望になる前に
仮装が化粧であるうちに
闇のほんとうの姿を
みつめる勇気を持つ。

これが生きる屍にならない
体質改善の処方箋。

闇の本来の姿は美しい。
静寂の輝きがある。
まぶしすぎる太陽のもとでは
みることのできない色。

Happy Halloween 🎃
素敵な夜をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna