平日の午前中は裁縫工場の
手作業グループのメンバーとして
毎日通勤している。
移動手段は自家用車。
接客業ではないし
外部の人間とほとんど接触しない。
ミシンや裁断担当の人は足もよく使うので
職場の人はみんな動きやすい
スポーツウェアのような服を着ている。
私は5時間椅子に座って
手を動かす仕事をしている。
だから多少ヒールが高い靴でも疲れない。
極まれに立ち仕事担当の時もあるので
その日はかかとの低い靴やサンダルを選ぶ。
華やかなドレスはもちろん必要ない。
それでも毎日色合いは決める。
手持ちの大好きなアクセサリーも
どんどん活用している。
たとえ不特定多数の人に会わないとしても
自分自身が心地よくて
楽しいと感じるコーディネートを
ちゃんと選んで毎朝決める。
見せびらかすためでなく
鏡に映った自分の姿を見て
うんいいなこの感じ、と
にっこりご機嫌で過ごすために。
プライベートタイムやパーティーで
大変身するのもそれはそれで
おもしろいかもしれない。
けれどもせっかく週5日毎朝
部屋着から外出着に服を変えるなら
毎日わくわくした方が楽しい。
家でくつろぐ時も
リラックス最優先ではあるけれど
気持ちの悪い色の組み合わせはしない。
昼夜の寒暖差が激しいイタリアでは
1日中家に居ても着替えることがある。
その時に靴下の色が合わなかったら変える。
足もとの暑さ寒さに敏感なので
布ぞうりからスリッパに履き替えて
あまりにも服の柄とスリッパがアンバランスなら
そのために服まで変えるときがある。
とにかくガチャガチャな色と柄のものを
いっぺんに身につけているのが嫌なのだ。
個人的でとてもマニアックな感覚かもしれない。
人生のなかの特別な日だけ
衣服やアクセサリーを楽しむのではなく
毎日のささやかな彩りを楽しみたい。
そう思って暮らしている。
Foto Yaegashi Luna