アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

思い出を「使う」「飾る」という楽しみ方

私は惚れっぽい。
すぐに恋に落ちる。
そうして側にやってきたモノ達が
やがて静かに反乱を起こす。

ねえどうして構ってくれないの?
あんなに熱烈に情熱的に
アプローチしてくれたのに。

嗚呼モテる人間は辛い。
要領よくあちこちにいい顔して
日替わりで楽しんでいたモノ達が
うらめしそうに収納場所の
奥からワタシを見つめている。

ゴメン。また今度ね。
今度っていつ?
アタシはあんなに尽くしたのに
他にかわいい子が見つかったら
見向きもしてくれないの?
そのうちボロ雑巾みたいに
アタシをぽいって捨てるのね!

そんな脳内妄想会話をしながら
家のあちこちを片付ける。
相手をしきれないかわい子ちゃん達は
他の人のところへ送り出した。
山場は越えた。
動きやすくなった。

今週末は思い出のミニパーツを
使える形にしよう。
ラベルやワッペン、ボタンやタグ。
彼らをキーホルダーやバッグチャームに
変身させて日々愛でる。

ひとつの小さなパーツが
思い出を語りはじめる。
幼かった息子達の笑顔が蘇る。
くちもとが自然にゆるいカーブを描く。

なにもかも捨て去って
過去を振り返らない生き方は
潔くてかっこいいかもしれない。
だけど私はお気に入りを選んで
活用する暮らし方を選ぶ。

私達はいつかすべての物を
手放して次の旅へ出かける。
だったら今大切にしたいものは
思いっきり愛でながら暮らしたい。

思い出の品々は自分だけの宝物。
他人には全く価値がない。
だから箱の奥に保存していても
たいてい出番はやってこない。

骨董品・ヴィンテージ物として
誰かに可愛がられる可能性も
多少はあるけれども
寂れた古道具屋のような暮らしを
したくないのなら取捨選択して
残すものは活用する。

家の装飾として飾るときは
メリハリをつける。
場の空間と色彩バランスを調える。
そして時々配置を変える。
従うのは自分の快・不快感覚。

昨日までここに置きたかった物が
今日は要らない感じがする。
ぱっと見たときに違和感を感じたら
移動または処分する。
季節外れならいったんしまう。

暮らしを快適にする活動は
こまめにやる。
その小さな積み重ねが
大きな笑顔時間を創るから。

心地よい日曜日の朝です。
素敵な1日を。

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Foto Yaegashi Luna