アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

半強制講習会で再発見したイタリア人気質と講師の名言

職場での安全講習会に参加した。
重い物を運ぶ仕事ではないし
ぱっと見危険な物は少ない。

それでも計16時間の
結構しっかりした講習会。
イタリアに来てから集団で学ぶのは
ほぼ20年ぶり。

どれくらいヒアリング力がついたか。
どんな風に自分が振る舞うか。
職場のメンバーの言動はどんな感じか。
講習内容以外の興味はいくつかあった。

初回は主に法律と安全管理の
責任関係についての解説。
講師の声は聞きやすいし
話はわかるけどすぐに眠くなった。

〇〇年に制定されたナンバー✕✕条例。
調べればどこかに書いてある
情報のコードナンバーのようなものを
まる暗記する学び方は自分に合わない。

居眠り防止対策として
アナグラムをしながら話を聞いていた。
メモをとってるように見えるから
講師にとっても悪くない対応策。

話に登場する単語を並び替えて
別の言葉にする。
アルファベットでやると
アナグラム遊びは格段に楽しい。

イタリア人は基本的に物怖じしない。
講師が問いかけると
数人が必ずはっきりと答える。
話の最中にジョークで突っ込む人もいる。

経営者もうろうろ歩き回って
合いの手のようにボケたり突っ込んだり。
2人の責任者のうち男性の方は
手伝いにきた子供並みの自由奔放さ。

講師のプロジェクターに手をかざし
ねえ、これYouTubeも見れるの?
と話を遮って割り込む。
差し入れに持ってきたおやつの箱を
手に持って堂々と講師の前を横切る。

横槍やジョークの切り返しもお見事。
関西人のボケとツッコミとは
ほんの少しノリが違うけれど
ポンポン飛び交うやりとりは秀逸。

同僚達の参加態度は素晴らしい。
ちゃんと講師を見て話を聞くし
質問があればすぐに声に出して問う。
休憩時間には講師も経営者も
入り混じってシモネタも混じった雑談。

遅刻・早退・中途退席も
我関せずで話をする講師と参加者。
それぞれの集中力と課題の分離度が
素晴らしすぎて心で拍手喝采。

法律の話は眠くなったけど
身体の仕組みと職務による障害の
説明はすごくおもしろかった。
話が上手い講師はいいことを言う。

なかでもとびきりの名言がこれ。

「自分自身より優れた名医はいない」

少しでも体調にサインが現れたら
診断を受けることは大事だけれど
まずは「自分自身を知る」ことが大切。
とにかく自分の観察をして身体の声を聴け。

同じ姿勢を続けないで凝ったらほぐす。
座ってばかりなら立つ。
立ってばかりなら座る。
少しでも身体が楽になる動き方をする。

長年の癖を変えるときは
最初は精神的なストレスになるけれど
長い目で見れば変化は身体を救う。
ストレッチやマッサージの習慣が
なかったのなら意識的に取り入れる。

職場の環境を整えるのは
経営責任者の課題だけれども
健康や命を守るのは結局自分自身。

もうひとつの名言。

「あのさ、ディエゴ駆除スプレーある?」

話の邪魔をする経営者を
笑いのネタにする頭の回転の速さに
拍手ととびきりの笑顔を送った。

爽やかな土曜日の陽射し。
洗濯物を干してから
カトラリーを磨きます。
素敵な週末を。

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Foto Yaegashi Luna