アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

ガラスのコーヒーカップ

数日前にバールのカウンターで
エスプレッソコーヒーを
飲みながら休憩していた。

ひとりの男性が
その小さな店に来て
こんな風に注文。

カッフェをガラスカップで。

イタリアでカッフェ(コーヒー)と
それだけ言えば
エスプレッソコーヒーが
すっと出でくる。

わざわざエスプレッソと
注文しなくても
この国でコーヒーと言えば
それはエスプレッソなのだ。

ちなみにアメリカンコーヒーは
カッフェ・ルンゴ。
直訳すると「のばしたコーヒー」
やたらと水が多くて薄いから。

お店の女性に聞いた。
ガラスカップだとなにが違うの?

早く冷めるのよ。

なるほどね。
猫舌の多いイタリア人種。
熱々のエスプレッソだと
味を感じないのかも。

ずっと前にも
他の店で同じ質問をした。

その店の男性は
より美味くなるんだよ
と、答えた。

ふ〜ん、と聞き流したけど
納得していなかった。
なぜ美味しくなるのか
腑に落ちなかった。

温度差なら納得。
確かに煮えたぎるスープも
冷たすぎるアイスも
味がよくわからない。

その温度に慣れるか
少し体温に近づいた方が
味を感知できる。

怒りが沸点に達しているとき。
無感情な状態のとき。

私達は人生のうまみを
感じることができない。
それと似ている。

針仕事へ行ってきます。
楽しい1日をお過ごしください。

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Foto Yaegashi Luna