アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

他愛もないおしゃべりが幸運を運んで来た話

毎週火曜日の朝に
職場の自動販売機の
メンテナンスと商品補充に
担当者がやってくる。

非常用出入り口のドアを
ノックしてやってくる
その人の名前は知らないけれど
扉の近くに座っている
私がいつもドアを開ける。

コーヒー類の販売機の点検後
軽食・水・ジュースの販売機に
補充作業をしていた彼と
ささいな世間話をした。

朝晩冷えてきたね。
けど日中はいい天気だよね。
そんな他愛もないこと。

エスプレッソコーヒーの
カップを手に作業机に戻ろうと
きびすを返す直前
補充していたおやつを
ひとつ差し出した。

あげるよ。余ったから。
新発売だよ。美味いよ、これ。

ほんの数分前に
他の同僚も同じ場所で
コーヒーを飲んでいた。
彼女は手ぶらで戻ってきた。

些細なことだ。
ひとつの小さなお菓子。
こうるさいことを言えば
健康的かどうかで判断したら
食べない方がいいかもしれない。

だけど。

この物質界・人間界での
幸運ってこういうことだ。

見返りも求めず
意気込みもなく
ただ肩の力を抜いて
軽いおしゃべりをする。

そういえば…なんていう感じに
話題にあがったことが
後の人生の突破口になったりする。

とてもわかりやすく
余ったお菓子をもらったりする。

細かいサインを見逃さない
アンテナ感度の高いワタクシは
もらったお菓子のパッケージに
書いてある数字や文字から
発想やひらめきや
メッセージを受け取る。

その説明はいちいちしない。
とても個人的な感覚だし
他の人にとっては
どうでもいいことだから。

もらったお菓子を持って
午後、銀行へ行った。
前日に予約した覚えのない
「予約確認メール」が来たので。

誰かが勝手に私の銀行口座の
なにかを変えようのしたのか?
と、すぐに問い合わせた。

蓋を開けてみれば
書類の簡単な変更。
サインひとつで終了。

もし私が人生を「心配事」で
埋め尽くすタイプの人間ならば
訳のわからないメールが
届いた時点で勝手に不安を
膨らませて心配をする。

予約確認メールに
思い当たる節がない旨の
返信をしたけれども
送信できない。
そこでもうパニックだろう。

ひと晩明けて
電話がつながる時間まで待って
問い合わせをするまで
わからないことを考えても
仕方ない、と完全放置。

その場で今すぐ
どうしようもないことを
あれこれ考え過ぎても
なにもいいことはない。

ささいな違和感を感知したり
小さな幸福を味わうために
必要なことはリラックス。

肩ひじを張らないこと。
焦らないこと。
考えすぎないこと。

もらったお菓子を
銀行のそばの外テーブルで
コーヒーと一緒にいただく。
いい天気だなあ。

素敵な1日をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna