アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

トマトケチャップ

CDを1枚だけ作ったことがある。
ボーカルとコーラスを担当した。
公務員時代に同じ職場の
友達に声をかけられて
歌うことになった。

全く縁のない歌に挑戦する
体験自体とてもおもしろかった。
そのバンド名がトマトケチャップ。
大学の学食のテーブルに
置いてあったから。
そうメンバー達が言っていた。

やってみてわかること。
プロでなくても
向き不向きが体感できる。
その時に痛感したのは
寄り添うことが下手という事実。

コーラスを練習したことは
録音当日まで1度もなかった。
だから天賦の才能を
持っている訳ではない私は
むちゃくちゃヒドイ声しか
出すことができなかった。

基本の「き」も捉えていない
苦しそうな発声。
もし毎日聞かされたら
拷問並にキツい仕打ちだ。

メインボーカルの部分は
素人の一発どりにしては
悪くはないけれど
ツッコミどころが気になって
悦に入って鑑賞できない。

コーラス部分は酷すぎる。
聞くに耐えられない。
CDを作り直したくなる。

自分自身に辛口なのは
充分承知しているけれど
片目をつぶっても
いや片耳を塞いでも
やっぱり酷すぎる。

人生を振り返ると
たしかに寄り添い方が下手。
誰かと心地よい調和を
紡ぐことが苦手で
長い時間をかけて学んできた。

イタリアで家族達に鍛えられた。
美味しいトマトケチャップには
いろんな材料が混じっている。
たくさんの学びを混ぜて
私の赤いソースは
美味しくなったと思う。

イタリア料理ではないけれど
世界中で愛されている
トマトケチャップ。
メイン料理ではない。
あくまでも何かに寄り添う。

けれども存在感はある赤。
オムレツに文字も絵もかける。
混ぜて使うこともできる。

これからやっていくこと。
トマトケチャップのような
エネルギーの創作。

もしこれから
どこかで出会うことがあれば
ご賞味してください。

今年の針仕事もあと数日。
行ってきます。

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Foto Yaegashi Luna