プロアマを問わず情熱を放出して
キレッキレの踊りを踊る
ダンサーやバレリーナをみると
これを日々の生活でやってみたい!
と思わずにいられない。
例えばアイロン。
素材や形によってどこからどうやって
シワを伸ばせばいいのか
瞬時に判断して手際よくさばく。
そして針仕事やハサミ仕事。
同じ素材の同じ形の服でも
ミシンをかけた人によって
またはちょっとした布のクセによって
ひとつひとつ微妙に私がすべき動きが変わる。
数百着という単位の服を扱っていると
基本的な動きはどんどん早くなる。
それをダンスの技のように
身につけて繰り返して精度と速度を
あげていく事が楽しくてたまらない。
その時に必要なのは素材や道具との会話。
そして手先や肩の力を抜いた
軽やかな動きの反復と改善。
満足のいくスピードと精密さを身につけた頃
たいていその服は定数に達して
次のデザインの手作業に移る。
そこがまたマニアックにおもしろい。
自宅で作業をしていた期間を含めると
もう5年くらい似た作業をやっているので
もちろん応用は効くのだけれど
毎回布が変わるので必ず慣れるまで
多少の数をこなす必要がある。
ダンスのパートナーが変わるけれど
基本のステップは同じ。
まさにそんな感覚でやっている。
手触りや音を確認しつつ
最速で作業が進む最適な服の持ち方
道具の置き方・並べ方などを工夫する。
他の人がやっている動きで
参考になるものがあれば取り入れて学ぶ。
いくら経歴が長い人のやり方でも
私には合わないなら取り入れない。
こうして身につけた技は財産。
誰かに奪われることもない。
自宅で何かを作るときも大活躍。
今は主にハサミを握って糸始末をしている。
大好きな柄の布とダンスを踊る毎日。
ゲームをクリアしていく感覚で
どんどんこなしていく。
ちゃんと好きな布とデザインの仕事を
意図的に引き寄せながら。
好きではないタイプの服を嫌がるのではなく
惹かれる柄やデザインの方に
ずっとラブコールを送るのだ。
ああ!かわいい!素敵!と
大好きな人を口説くように熱く想いを
言葉にして伝える。
するとその服を担当する流れがやってくる。
もちろんどっちがいい?と聞かれたら
迷わず好きな布を選ぶ。
意思表示は何時だって大事。
さて明日はアイロンとダンスします。
Foto Yaegashi Luna