アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

にっこりの度合い【笑顔の段階変化】

笑顔の違いを段階表現した
描写が出てくるのは
村上春樹氏の小説。
「ダンス・ダンス・ダンス」
だったかな?
記憶が確かならば。

笑顔の種類を見分けるのは
得意分野のひとつ。
私自身も笑顔を使い分けている。

先月の初旬に同僚のひとりと
はじめて休日に出かけた。
職場には2人しかいない
パート勤務仲間なので
帰宅時間がちょくちょく重なり
雑談を交わす仲ではあった。

職場の仕事の流れでも
手作業チームが作業を終えた服に
アイロンをかける担当の彼女と
なにかと言葉を交わす。

彼女の旦那さんと3人で出かけた。
彼はよく躾けられた警備犬のように
女2人のそばにいるけど
会話の邪魔にならないくらいの
程よい距離感でうろうろ。

とはいえ人間だから当然
時折ことばを交わす。
2人の笑顔の段階が
どんどん変わっていく様が
おもしろかったし心地よかった。

一緒に出かけた翌日から
同僚の笑顔が明らかに
まあるくなった。

身体的なスタイルも
生き方もかっこいい彼女は
職場の中で少々毛色が違う。

パート勤務だからお昼ごはんを
職場で食べないので
私生活のあれこれを
知られていないこともあって
他のメンバーと完全融合していない。
いつもそんな笑顔をしていた。

やっぱり会話の力はすごい。

自分の暮らしや好みについて
あれこれを話したり
同じ場で共通の体験をする
効果も後押しして共有感覚が育つ。

イタリア人は概してフランク。
おしゃべり好きも多い。

とはいえやはり
慣れない相手や知らない人には
それなりの見えない壁を築く。

安心した、という感覚は
まっすぐ素直に顔にでる。
顔色をうかがうのではなく
柔らかい笑顔が飛び交う場を
味わうことは人の喜びの
かなり大きな部分を占める。

笑顔ってほんとに大事。
自分の笑い顔がゆがまない
人生を過ごしたいな。
これからもずっと。


Foto Yaegashi Luna