アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

早朝の読書についてくるおまけとコーヒー牛乳の記憶

職場の近くにあるバールで
エスプレッソコーヒーを飲みながら
その朝手にした本を読む。

毎日ではないけれど
頻繁に通っているから
「カフェ・マッキアート?」と
注文する前に聞いてくれる。

「うぱぱるわいな」と
独自流派の日本語で挨拶してくる
おじさんと笑顔を交わす。

ほぼ毎日スピードくじを
買いに来るメガネおじさんも
挨拶交流メンバーのひとり。

この店の女の子達は
みんな魅力的で笑顔が素敵。
たったひとりを除いて。

唇をアヒル整形した女性がいる。
彼女に注文を聞かれたときは
いっとき頭が空虚になった。

ボトックス注射したであろう
唇の不自然な膨らみが
不自由さのエネルギーを
放っていたから。

美の基準はそれぞれ。
だから彼女の世界では
美しい笑顔なのだろう。

サクサクした人間関係が
心地よい場所で本とデート。
ページをめくると展開する
どこかのだれかの話。

すれ違う人たちにも本にも
それぞれのストーリーがある。

ことばにはならない
エネルギーの交流が
私の世界を彩っている。

幼い頃の夢うつつの記憶が
昨日呼び起こされた。

子供用の小さな
スチールパイプの椅子に
コーヒー牛乳の瓶が置いてある。

「あたしのコーヒー牛乳の
 上に座らないで!」

そう叫んだのは夢?
それとも実際の記憶?

今でもコーヒーとミルクを
混ぜた味が大好きだ。
あの頃は東京の社宅で。
今はイタリアの街角で。

苦さと甘さをぐるぐるさせて。

誰もが懐かしい思い出や
目の前にある現実を
いい塩梅に混ぜて生きている。

すべての人に幸あれ!と
そっと願いながら
エスプレッソのカップを置き
本をかばんにしまって職場へ向かう。

お仕事へ行ってきます。
素敵な1日をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna