アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

ピカピカ

昨日の夕食後、車を洗った。

ごはんを食べた後でもまだ

夕日は沈んでいなくて

サングラスをかけたまま

古い歯ブラシも使ってピカピカにした。


家を出発してから舗装道路まで

数百メートルの砂利道を走行するから

毎日車は砂埃だらけになる。


車も家も身体も私達の使う器のようなもの。

マニアックに毎日磨き上げる訳ではないけど

ふと綺麗にしよう、と思ったら

すぐにぴかぴかにする。


Pica Pica というのはカササギの別名。

韓国では織姫と彦星が七夕に会う

架け橋の象徴とされている鳥。


家の庭には5本のいちじくの木があり

この季節は毎日鳥達が

早付けの実を食べにやってくる。

その中にカササギも混じっている。


以前住んでいた家のテラスに

パンくずを置いておくと毎朝カササギが来た。

嘴を横にスライドさせて一気にたくさん

拾い上げる食べ方をみて

彼らの賢さがうかがい知れた。


村上春樹さんの小説

「ねじまき鳥クロニクル」のシンボルも

このカササギ。ギィーっと鳴いてネジをまく。


今この瞬間、外でねじまき鳥が

螺子をまいている。ギィギィギィ。

子供の頃に伯母にもらった

オルゴールを思い出す。


奏でる曲に乗ってくるくるまわる

女の子の人形のように

私も外界に出て今日1日を踊る。

ピカピカにした車に乗って働き

そしてまた自分自身に戻る家に帰ってくる。


人生も同じ。

自分で選んだ場所で曲にあわせて踊り

螺子がとまったら身体を動かすのをやめる。


今日もぴかぴかの1日でありますように。


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Foto Yaegashi Luna