アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

どんじゃらほい

' 森の木陰でどんじゃらほい

しゃんしゃん手拍子足拍子

太鼓たたいて笛吹いて '


小学一年生の学芸会。

「森の小人」を踊るグループと

もうひとつの演劇チームの2つ選択があった。


足首に鈴を着けて

小人になって踊りたい!と

どんじゃらほいグループに手をあげた。


それなのに。

「あなたは魚のお母さんをやって」

と先生から名指しされてしまった。


6歳の私は13匹の小魚達の母になった。

なさけないストーリーだったから

目立つ役を与えられても

ちっとも嬉しくなかった。


子供たちを育てなくちゃいけないのに

食べ物がなくてお腹が空いていて

大きな貝をみつけて喜んで近寄ったら

貝に挟まれてしまい助けを呼ぶ。


先生の思惑はわかる。

普通の小学校に通っている6歳の子供たちは

まだセリフを覚えられなかったり

人前で緊張したりする。

だから記憶力と度胸のある私が

ターゲットになった。


楽しそうに輪になって踊る友達を横目に

私は舞台の上をふらふら彷徨い

貝に足を挟まれて倒れる。

踊りたかった。

足首に着けた鈴をしゃんしゃん鳴らして。


去年作った鈴だらけのアクセサリーを

身に着けたときに

はるか昔の記憶の引出しが開いた。


こんな風にインナーチャイルドは癒やされる。

ただ思い出してあげるだけでいい。

本当はこうしたかったんだよねと

過ぎ去った自分にうなずいてあげる。


どんじゃらほい。

今日は懐かしい童謡を歌いながら

出勤することにしよう。

行ってきます。



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Foto Yaegashi Luna