アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

アクション映画並みに車で滑って飛んだ朝

おとといの朝の出来事。
小雨の降る急な下り坂にて
スピードの落とし具合が足りず
ハンドル操作が効かなくなった。

畑に突っ込まないように
踏ん張ってみたが
軽い車はぽーんと飛んで
畑に着地した。

前日の雨で畑の土は柔らかい。
それでも前進はできる。
自力で脱出を試みた。

畑と道路の間に側溝があり
そのままでは出られない。

車を降りて近所の家を
何件か訪ねたが
誰も出てきてくれない。
まだ早朝だった。

警察官と保険代行業の友達に
連絡したが繋がらない。
地元の警察は管轄区域が違うと
やる気ゼロの対応。

レッカー移動が必要だと判断して
近所の24時間対応の場所に連絡。
それほど待たずに援護に来てくれたけど
側溝が邪魔で牽引は無理だった。

緊急呼び出し料金を支払う現金を
持っていなかったので
近くの銀行までレッカー車で移動。
料金を支払った後
長男がいるであろう
元ダンナの家まで送ってもらった。

その間に2人の友達と連絡がつき
トラクターなら泥土の畑から
引き出せるという提案をもらい
地元のトラクター所有者の友達に
直接お願いをして待機。

現場の様子を見に行ってくれた友達と
現地で合流して側溝を木材で
埋め尽くすことにした。

車で現場まで送ってくれた長男と
近くにあった朽ち果てた木材を
運ぶ作業をしている間に
友達はトラクターを準備してくれた。

友達の弟さんも来てくれて
男3人の協力を経て
無事に車は道路に引き出せた。

畑と道路の間の側溝に
運んだ古い木材を元に戻して
協力者達にお礼を言って
その足で針仕事へ向かった。

泥だらけのブーツを洗ってから
真っ白い服を手に取り
針仕事を始めた。

職場の同僚達が手を動かしながら
いろいろと質問してきた。

怖かったでしょう?

と聞かれたとき
嘘がつけなかった。

「これ言うべきじゃないけど…
 おもしろかった」

職場が笑いの渦になった。

「そんなこという人
 るなだけだよ」と経営者。

早朝から泥だらけになって
助けてくれた友達や
電話連絡で対応してくれた人達に
心から感謝している。

だけどホントにおもしろかった。
遊園地のアトラクションみたいだった。

雨のおかげで柔らかくなった土が
クッションになってくれて
私はまったくの無傷。
車も最初に着地した部分が
少し破損していたけれど
他に問題はまったくない。

ドキドキもおろおろもできない
可愛くないオンナだなあ
と、思いながら淡々と
救助依頼の連絡をした。

もうちょい怖がりで
甘えんぼさんだったら
たくましいオトコに
いつも守られる人生だったのかな。

レッカー車を待つ間
近くの倉庫の側に座って
カバンに入っていた
おやつのりんごを食べ
水筒の白湯を飲みながら
周りの景色を眺めた。

普段なら通り過ぎる場所の
木々の造形の美しさを堪能した。

時折通過する車が
物珍しさに速度を落として
畑のなかの緑の塊に見入る。
近所の犬もちょっと立ち止まって
普段はないモノに視線をなげる。

ぷっと吹き出し笑いした。
人も犬もおんなじような行動をとる。

12月になりましたね。
もうすぐクリスマス。
素敵な週末をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna