アレコレ楽書きessay

「イタリア楽描きessay」のサブブログ

誘惑されまくる日々の嬉しい苦悩

なにを描こう?
どんな風に?
どの紙に?
画材と技法は?
モノクロ?セピア?カラフル?

いちいち些細な
選択肢はたくさんあって
決めて動かないと
なにも始まらない。

描き始めても
躊躇したり途中でやめたり。
完成間近にすごく嫌になったり。

気にくわないけど
とりあえず続けてみたら
予想外にうまく仕上がったり。

描くときはたいてい
ひとりで部屋にこもるから
行動範囲は極狭。

移動するとしても
キッチンでコーヒーを淹れたり
せいぜい気分転換に
ゴミ捨てに出たりする程度。

それなのに世界が
ぐんと広がる感覚がする。
描いてる対象物と細胞レベルで
交わっているような気がする。

極小の世界をくぐり抜けて
宇宙の果まで旅に出るように
大きな何かとの一体感を得る。

始めるのも
終わらせるのも
決断は自分次第。

ひとつの作品を仕上げる度に
ひとつの人生を終えたような
そんな気持ちになる。

スケッチブックのページを
めくる度に新しい人生を描く。

世界を観察する視線が
最近明らかに変わった。

これまでの日々も
けして退屈ではなかった。

だけど絵を再開してから
この世の中はますます
魅力的な場所になった。

空をみても
街をみても
描きたいものだらけ。

毎日いろいろな題材に
誘惑されまくっている。

ねえねえアタシを描いてよ
いやオレをよろしく

と、様々なモノ達が
色っぽい仕草で誘惑してくる。
そんなに仕掛けられても
アタシには手が2本しかない。
利き手は1本だしね。

さて針仕事へ行ってきます。
楽しい1日をお過ごしください。


Foto Yaegashi Luna